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他年度昇格チームとの比較 2016北海道コンサドーレ札幌昇格データ(中編)

前編はこちら
中編の今日は、今年のコンサドーレと、過去2年に自動昇格した4チームの、J2→J1における各種データの変化を見ていくことにします。データは前編同様、Football LABのものを参照しました。
まずは北海道コンサドーレ札幌のデータを。

【2016北海道コンサドーレ札幌

チーム成績
 2016シーズン 勝ち点85(25勝10分7敗)65得点 33失点
 1試合平均勝ち点(小数第3位以下切り捨て) 2.02
 1試合平均得点(小数第3位以下切り捨て) 1.54
 1試合平均失点(小数第3位以下切り捨て) 0.78

2016シーズンチーム内得点(3位以内)
 都倉 賢 得点19
 ジュリーニョ 得点12
 内村圭宏 得点11

ではこちらを基準に、過去2年の自動昇格チームのデータを見てみましょう。

<2015シーズン>
【1位 大宮アルディージャ

チーム成績
 2015シーズン 勝ち点86(26勝8分8敗)72得点 37失点 → 2016シーズン勝ち点56(15勝11分8敗)41得点36失点 5位
 1試合平均勝ち点(小数第3位以下切り捨て) 2.04→1.64 
 1試合平均得点(小数第3位以下切り捨て) 1.71→1.20
 1試合平均失点(小数第3位以下切り捨て) 0.88→1.05

2015シーズンチーム内得点(3位以内)の翌シーズン得点数
 ムルジャ 得点19→ 得点6
 家長昭博 得点11→ 得点11
 横谷 繁 得点8→ 得点3

主な加入選手の2016シーズン成績(2016シーズン10試合以上先発出場)
 DF 奥井 諒 23試合先発出場 得点2 アシスト1
 DF 沼田圭悟 14試合先発出場 得点1 アシスト1
 MF 岩上祐三 13試合先発出場 得点1 アシスト0
 MF 江坂 任 23試合先発出場 得点8 アシスト1
 FW ペチュニク 12試合先発出場 得点1 アシスト0

主な退団選手の2015シーズン成績(2015シーズン10試合以上先発出場)
 DF 片岡洋介 12試合先発出場 得点1 アシスト2
 MF 渡邉大剛 10試合先発出場 得点2 アシスト7
 MF カルリーニョス 37試合先発出場 得点2 アシスト8

<感想>
戦力流出はなかった印象の大宮でしたが、前年のチームアシスト王カルリーニョス選手を放出していたんですね。その穴を金澤選手が埋めたという感じでしょうか。コンサと比べると、J2時代は得点はより多く、失点もより多いでしょうか。ただ今回みた4チームの中では最もJ2時とJ1時の変化が小さいです。そのあたりが躍進した成績に繋がったということでしょう。ロースコアのゲームでしっかり勝ち点を取っていく戦いぶりが継続できた感じですね。


【2位 ジュビロ磐田

チーム成績
 2015シーズン 勝ち点82(24勝10分8敗)72得点 43失点 → 2016シーズン勝ち点36(8勝12分14敗)37得点 50失点 13位
 1試合平均勝ち点(小数第3位以下切り捨て) 1.95→1.05
 1試合平均得点(小数第3位以下切り捨て) 1.71→1.08
 1試合平均失点(小数第3位以下切り捨て) 1.02→1.47

2015シーズンチーム内得点(3位以内)の翌シーズン得点数
 ジェイ 得点20→ 得点14
 アダイウトン 得点17→ 得点6
 小林祐希 得点6→ 得点5

主な加入選手の2016シーズン成績(2016シーズン10試合以上先発出場)
 DF 大井健太郎 30試合先発出場 得点1 アシスト0
 DF 中村太亮 27試合先発出場 得点1 アシスト1
 DF パパドプーロス 12試合先発出場 得点1 アシスト0
 MF 山本康裕 19試合先発出場 得点0 アシスト1

主な退団選手の2015シーズン成績(2015シーズン10試合以上先発出場)
 DF 駒野友一 26試合先発出場 得点1 アシスト3
 DF 伊野波雅彦 32試合先発出場 得点1 アシスト0

<感想>
戦力的には伊野波選手がやっぱりレベルが高かったのかなあ感じます。失点がかなり増えていますからね。大井選手やパパドプーロス選手は穴は埋めてはおり、だから残留も出来たのでしょうけれども。得点の方はアダイウトン選手が落ち込んだ分がそのまま影響が出ているでしょうか。ジェイ選手は長期離脱もあるので、J1とJ2でそれほど得点が変わっていない印象で、単純に日本では強いのでしょうか。あとは小林祐希選手がオランダ移籍したのも結果的に痛かったのかもしれません。とはいえ、来季コンサドーレが目指すべき目標のような各種の数値だと思います。



<2014シーズン>
【1位 湘南ベルマーレ

チーム成績
 2014シーズン 勝ち点101(31勝8分3敗)86得点 25失点 → 2015シーズン 勝ち点48(13勝9分2敗)40得点 44失点 8位
 1試合平均勝ち点(小数第3位以下切り捨て) 2.40→1.41
 1試合平均得点(小数第3位以下切り捨て) 2.04→1.17
 1試合平均失点(小数第3位以下切り捨て) 0.59→1.29

2014シーズンチーム内得点(3位以内)の翌シーズン得点数
 ウェリントン 得点20→ 退団
 岡田翔平 得点14→ 得点0
 武富孝介 得点9→ 退団

主な加入選手の2015シーズン成績(2015シーズン10試合以上先発出場)
 DF アンドレ・バイーア 30試合先発出場 得点0 アシスト0
 FW 高山 薫 33試合先発出場 得点7 アシスト4

主な退団選手の2014シーズン成績(2014シーズン10試合以上先発出場)
 DF 宇佐美宏和 14試合先発出場 得点2 アシスト1
 DF 亀川諒史 14試合先発出場 得点1 アシスト0
 DF 丸山祐市 41試合先発出場 得点2 アシスト2
 MF 岩尾 憲 18試合先発出場 得点0 アシスト2
 FW ウェリントン 37試合先発出場 得点20 アシスト4
 FW 武富孝介 36試合先発出場 9得点 アシスト4

<感想>
正直驚きました。ここまで試合で活躍していた選手を皆放出していたなんて…これで一桁順位なのですから、あのときの湘南は本当にすごいチームだったのです。得点も失点も共に大きく数値が悪化しているのは、戦力が流出した状態でJ1に臨んだからだと言えるでしょう。その穴を埋めきれなかった部分はあるのでしょうが、補強した選手の他に元からチームにいた選手たちが試合に出ています。J2時代の全てのデータが今シーズンのコンサドーレより上ですが、コンサはここまでの大規模な戦力流出はなさそうですから、そういう意味ではどちらもあまり参考にならないかもしれません。

【2位 松本山雅FC

チーム成績
 2014シーズン 勝ち点83(24勝11分7敗)65得点 35失点 → 2015シーズン勝ち点28(7勝7分20敗)30得点 54失点 16位
 1試合平均勝ち点(小数第3位以下切り捨て) 1.97→0.82
 1試合平均得点(小数第3位以下切り捨て) 1.54→0.88
 1試合平均失点(小数第3位以下切り捨て) 0.83→1.58

2014シーズンチーム内得点(3位以内)の翌シーズン得点数
 船山貴之 得点19→ 退団
 岩上祐三 得点8→ 得点4
 山本大貴 得点7→ 退団

主な加入選手の2015シーズン成績(2016シーズン10試合以上先発出場)
 DF 酒井隆介 33試合先発出場 得点2 アシスト0
 DF 後藤圭太 10試合先発出場 得点0 アシスト0
 MF 前田直輝 18試合先発出場 得点3 アシスト0
 FW オビナ 29試合先発出場 得点6 アシスト4

主な退団選手の2014シーズン成績(2015シーズン10試合以上先発出場)
 DF 多々良敦斗 26試合先発出場 得点1 アシスト1
 DF 犬飼智也 42試合先発出場 得点6 アシスト4
 FW 船山貴之 42試合先発出場 得点19 アシスト6
 FW 山本大貴 10試合先発出場 得点7 アシスト1
 FW サビア 24試合先発出場 得点4 アシスト0

<感想>
湘南同様に大きな戦力流出をしてしまい、その穴を埋めきれずに降格してしまったといえるでしょう。船山選手は言うまでもなく、ディフェンダーで全試合出場の犬飼選手がレンタル加入だったのが響いた感じです。表には載っていませんが、阿部吉朗選手を2015シーズンに獲得しスーパーサブとして5得点決めているので、これで山本大貴選手の穴が埋まり、サビア選手→オビナ選手という外国人の入れ替えにも成功した感じですが、船山選手に頼っていた分の得点がなくなった分がまるまる抜けてしまったのが痛かったのでしょう。コンサと比較すると得点者の偏り方はあまり似ていませんが、昇格シーズンの1試合平均得点は同じです。これくらい得点が落ち込んでしまうと、守備にも悪影響を及ぼしますし厳しい戦いになってしまうかなと言う印象です。


<まとめ>
こうやって過去2年間の昇格時データを見てみると、勝ち点、得失点などの点で今年のコンサドーレに最も近いのは2014松本だなあという印象です。なかなか現実は厳しい。ただ、松本は19得点を挙げた船山選手が移籍してしまいましたが(移籍先の川崎フロンターレでは成功できず)、札幌は都倉、ジュリーニョ、内村という2桁ゴールトリオは揃って残留する見込みである点が異なり、その点については当時の松本より期待が持てると言ってもいいのではないでしょうか。もっとも、3人共J1では活躍した経験があるとはいい難いのがやや不安点ではありますが… 出来れば磐田くらいの成績が取りたいところです。


後編:来季の補強について