今日から大学受験生はセンター試験だったようです。受験生はこんなブログ見てないでさっさと気持ち切り替えて明日ないしは二次試験の準備をしなさい。
で、センター試験の社会って毎年どの科目もなんかちょっとネタを入れてくるんですが(受験生にとっつきやすくしてあげているとも言える)今年はこんな問題だったようです。
Twitterではムーミンがフィンランドだって知らないから間違えましたみたいなアホなこと言ってる人も散見されたようですが、まあぶっちゃけ言うと「その程度の一般常識もねえのか」とも思わないではないですが、仮に知らなくても地理Bの学習の範囲で十分解くことが出来ますので、ちょっと解説してみますね。
まずアニメーションの方ですが、ムーミンを仮に知らなかったとしても、もう一つのアニメ、「小さなバイキング ビッケ」の「バイキング」がポイントになるでしょう。ヴァイキングは北欧を主な拠点として主にヨーロッパの西海岸を荒らし回った海賊として有名であり、民族的にはデーン人やノルマン人等、時代的には大体カール大帝の頃からノルマン・コンクエスト(要はイングランドの始まり)の辺までであり、時代的な方については世界史を多少勉強していれば間違いなく分かるものですが、民族的にデーン人やノルマン人が多い、という点については普通にご存知でなければまずいのではないかと思います。よってムーミンがフィンランド、小さなバイキングビッケがノルウェーとなるので、アニメーションの正解は「タ」です。
次に言語の方ですが、ここでは上に出てきているスウェーデン語との類似性が大きなポイントになります。スウェーデン語が「Vad kostar det?」、Aは「Hva koster det?」とよく似ていますが、Bは「Paljonko se maksaa?」と全く異なる言語のように見えます。地理選択者は必ず学校の授業の最初の方で「民族、語族」について学習したのではないかと思うのですが、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーのスカンジナビア半島の3カ国で、フィンランドだけがいずれも異なることはおそらく教師に重要事項として説明されています。少なくとも僕はまだ覚えているくらいはっきりとされました。
フィンランドはどちらかというとややアジア系の血が入っており、仲間の民族としてはハンガリーのマジャール人などが挙げられます。今でこそコーカソイドの特徴が多いですが、我々アジア人と同じモンゴロイドの血もはいっているのです。つまり東欧を北上してきて、ロシアやバルト三国側からスカンジナビア半島に入っていった人たち、という理解をしていれば良いです。当然、語族的にも「ウラル語族」という分類がされているはずです。
それに対しノルウェーやフィンランド、あとあの辺りの国で言うとデンマークもそうですが、彼らは民族的にはゲルマン系コーカソイドであり、要はナチュラルブロンドの髪に白い肌、であります。先程のヴァイキングでもわかるように、ヨーロッパの北西部に主に居住している人たちです。語族的には「インド・ヨーロッパ語族」。たしか拙い記憶ではそのあとゲルマン語派だったか北ゲルマン語派だったかそんな分類があった気がしますが、まあとにかくフィンランドとスウェーデンとノルウェーでは民族的にも言語的にもフィンランドだけ別物で、スウェーデンとノルウェーが一緒、とわかっていればよいでしょう。よってスウェーデン語と似ているAがノルウェー語、全く異なるBがフィンランド語(正式にはフィン語ですかね)になるので、言語の正解は「B」となります。
以上の判断から、正解は2となります。ムーミンがどうこうというより普通の地理の問題ですし、しかもわりと基本事項になるので、ムーミンのせいで解けなかったというのは自分の勉強不足だと思ってください。以上です。