ぉゔぇ記

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北海道コンサドーレ札幌歴代外国籍選手図鑑・後編(2013~2019年入団選手)

何を怖がっているんだ!ブロガーとしてしっかり戦え!間髪入れずに後編も行くぞ!

前編はこちら。

lovenote.hateblo.jp

2013年は野々村社長が就任した年です。この辺からは覚えている人も多いかもしれないね。ここからは右肩上がりになっていくコンサドーレをお楽しみください。

 

パウロン(13~15)

高い、強い、速い、怪我がち、と揃わなくてもいいところまで揃ってしまったポテンシャルお化けDF。顔は安田大サーカスのクロちゃんを黒人にした感じである。おそらく身体能力の高さだけで言えば過去の札幌在籍選手の中でもトップクラスであるだろうと思われるが、「1試合に出場すると3試合休まなきゃいけない」(野々村社長談)というかつての一平くん、ないしは多村仁志レベルで怪我をしてしまうのが災いしてそれほど活躍したとは言えない。しかしものすごく期待されていたようで、札幌在籍は15年までだがどうも契約自体は一昨年くらいまでは残っていたようでもある。福島、水戸にレンタルされた後、昨年は栃木で16試合3得点。今年は新潟に所属、最近ちょこちょこ試合に出ている。札幌以外ではそこまで痛い痛いとは言っていないのは気のせいだろうか。

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これは30本はホームラン打ちますわ。Vやねん!

 

チョ・ソンジン(13)

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パウロンがポテンシャルキングならソンジンはコスパキングみたいな選手だった。熊本、讃岐と2013年札幌レベルで金がなさそうな両チームを渡り歩いてきた韓国人DFは、この年しっかりとレギュラーに定着。ヘディングも強く、足元も結構うまくて、大幅に予算を削減した札幌の予想外の躍進(J2で7位だけど)に大きく貢献した。そのままいてほしかったのだが翌年は母国の水原三星へ移籍。J2からACL出場クラブに移籍できたことでも彼の活躍の度合いはわかるであろう。

 

レ・コン・ビン(13)

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現在も続くJリーグの東南アジア戦略の元祖、ベトナムの英雄である。期限付き移籍でシーズン途中に加入。加入後の初試合ではゴール裏のトランペットでベトナム国歌が演奏される歓待ぶりを受け、ベトナムメディアも厚別に殺到し、J2のクラブなのに世界としっかりつながった気がしたものだ。奥さんはベトナムで有名な歌手のトゥイティエンさんであり、札幌がまあまあ気に入ったのか2017年には白い恋人パークでミュージックビデオも撮っていった。

プレーヤーとしての実力も高く、プレッシャーのかかる場面でこそ輝くのでさすが一国を代表する選手だと感心した覚えがある。キックの精度は当時の札幌では砂川選手と同レベルで頭抜けていたしJ1でもサブとしてくらいなら勝負は出来たのではないかとは思うが、その国トップの選手らしく契約などの権利関係がやや複雑で「来年も札幌でやりたい」と言いつつ帰郷したらちゃっかりベトナムのクラブに戻ってしまった。引退後、ベトナムのクラブの社長職についた気がするが今どうなっているかは定かではない。

 

フェホ(13)

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札幌サポーターは多分みんな大好き、「鉄人」フェホ。ブラジル人だがロシアの大学で学んだインテリであり、197cmの屈強な体とその割にはうまくないヘディング、大きなストライドでスペースに蹴り出されたボールにグングンと追いついていくスピードとパワーあふれる素走り、サポーターに名前を呼ばれると嬉しくて試合中でも手を振っちゃう、とギャップ萌えにも程がある選手だった。走ってただけなのに、試合を見ていた札幌ユースの子が「フェホすげー」と感嘆したらしい。まあ実際なんかそういう感じですごい。別にうまくはないのだが。

ハイライトはアウェイ水戸戦で逆転ゴールをぶち込んだシーン。嬉しすぎてサポーターのところに走ってきて、テツくんのスネアをぶん取るとバンバンバーンと手で叩いて放り投げて帰っていった、のが上の写真。なおこの数分後に特に悪質なファールでもないのに退場させられ、当時の財前監督が「何にもしてないじゃんよぉ…ひどいよぉ…」と嘆いたのが中継の音声にのった。

札幌を退団後は中国のクラブに移籍、その後京都や北九州にも所属したが特に活躍はしていない。札幌が!一番うまくフェホを使えるんだっ!!!フェホアームクロスっ!

 

ヘナン(14)

ああ、いたね。俺の中では菊岡拓朗の当て馬。優しい顔はしていたが特別な思い出はないしプレーの記憶もほぼない。

チョン・ソンフン(14)

韓国代表で8キャップの経験がある超でっかいおっさんFW。それなりに年をとってきて所属チームがなかったところを札幌が取った。デカかったので主に終盤のパワープレー要因として使われた。なんか1点くらい取った記憶はあるがそれ以上特に思い出せない。

ステファノ・リリパリ(14)

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レ・コン・ビンに続く東南アジア戦略2人目。オランダ生まれのインドネシア国籍で、Jリーグ初のインドネシア人選手である。ユトレヒトなど、エールディヴィジでもそこそこ試合に出ていたので期待度は高かったが全くフィットせず1試合にも出ずに退団した。今はまたオランダでプレーしている模様。

 

ナザリト(15)

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ユース年代ではあのハメス・ロドリゲスと一緒にプレー、レアル・マドリーからも関心を示されたというコロンビア人FW。前年に岐阜で大活躍し、エース候補の期待を背負って加入。開幕戦でいきなり2ゴールの活躍をするも、その後は期待に応えられずプレッシャーからかPKなども外すようになってしまい、エースの座は前年加入の都倉に奪われることとなった。結果としては5得点しか出来ず、期待の半分以下の成績に終わってしまって1年で退団。足も速くフィジカルも強くシュートもまあまあ上手かったのだが、バルバリッチと決定的に合わなかったのだろうと思う。

 

ニウド(15)

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こちらも前年ヴェルディで主軸を張っていたところをボランチの主力候補として連れてきた選手。ナザリトといいニウドといい小野伸二と稲本といい、たぶん2015はそれなりに野々村社長の中で本当は勝負に出たんじゃないかと思う。ダメダメでもなかったけれど前年にヴェルディで見せたような輝きを見せることはなく1年で退団。性格的に自分が中心じゃないと嫌だったのではないかという話も聞こえてきた。札幌退団後は福島に加入、今は鹿児島ユナイテッドで救世主をやってる。

 

イルファン・バフディム(15~16)

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東南アジア戦略第3弾のイケメン快足MF。ステファノと同じくオランダ生まれのインドネシア人だが、こちらは前年に甲府に所属していた。(リーグ戦出場は0)とにかく足は速かったがそれ以上特筆すべきものはない。Instagramのストーリーが良く更新される。現在はインドネシア国内でプレー。

 

ク・ソンユン(15~現在)

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説明不要、現在の不動の正守護神でありリーグトップクラスのGK。とうとう韓国代表にまで選ばれるようになったが、残念ながらまだ出場キャップはない。もともとはセレッソが青田買いしてきた選手であり、セレッソも目の付け所としては完璧だったのだが、キム・ジンヒョンがいて試合出場経験がなかったところを札幌に連れてきた。数年前に鹿島からオファーを受け、本人も移籍しようと思っていたが野々村社長が深井と何らかの手を使って残留させる事ができた。もともとの身体的ポテンシャルもさることながら、同じミスをあまり繰り返さないところが非常に優秀であり、J1昇格当初はパンチングする方向がかなり下手くそだったのにいつの間にか修正されているあたりがとても偉い。兵役とかなんとかならんのか。頻繁に変わる髪型と試合開始前、後半開始前にゴール裏のサポーターに深々とお辞儀をするのがチャームポイントである。

 

マセード(16~17)

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顔は小太りのおっさんだが小気味よいドリブルとそこそこの精度のクロスが特長の典型的なブラジル人ラテラル。2016年加入の「性格良さげブラジル人3人衆」の一人。ブラジル人らしからぬ(?)真面目な選手で、スタメンでもサブでも変わらず準備をし、与えられた出場機会でベストの仕事をしようとするタイプ。Instagram でもおっ母ちゃん風な奥様と息子との幸せな日常を投稿しており、ネタにするところが特にない、いい人。

 

ジュリーニョ(16~18)

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2016年加入の「性格良さげブラジル人3人衆」の一人。おそらく3人の中では一番うるさく騒ぐのが好きなタイプでお調子者。募金活動などでも3人揃って「ボキンボキンボッキン♪」などと歌い踊り活動するのでめんこい。プレーヤーとしては威力と精度を併せ持った左足が特長で、彼のスーパーゴールのおかげで2016年は昇格できたと言っても過言ではないだろう。翌年もレギュラーとして活躍していたが、練習中にアキレス腱を断裂してしまいリハビリに励むこととなる。18年はミシャに干されるに近い扱いを受けたが腐ることなく準備をし、都倉、ジェイのいないサガン鳥栖戦で途中起用されると2得点の活躍でチームを勝利に導く。その際嬉し涙を流していたのに心を動かされなかったサポーターはいないであろう。その後山口にレンタル移籍し、現在はブラジルのアヴァイFCに所属。先日フリーキックでゴールを決めたのを本人のInstagramで知った。

 

ヘイス(16~18)

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2016年加入の「性格良さげブラジル人3人衆」の一人。若かりし頃はPSVフィテッセでも活躍し国際的にも期待されていたがコカイン中毒や飲酒運転、膝の大怪我などを繰り返し、オランダのチームから放出されたのはもちろんのことブラジル国内でもアマチュアリーグくらいでしかプレーできない状況に陥ったが、家族の助けもあり再び高いレベルでのプレーを望む段階で札幌からのオファーを受ける。当初はどんなやべえヤツが来ちゃうのかと思っていたが、来てみたら笑顔の優しい、ボールタッチの柔らかさだけがやべえヤツであった。キャンプ段階で関係者から「ヘイスはモノが違う」という高評価を受けるもなかなか試合に絡むことが出来ていなかったが、コンディションが上がってくるにつれ本領を発揮。運動量こそ多くはないものの、全てにおいて精度が高く柔らかいプレーでフィジカル主体のチームでのアクセントとして活躍。しかし2018年はコンディションが上がらないまま出場機会がほぼなく、海外移籍をするという名目で双方の合意により契約解除を行った。その後新潟に移籍するも新潟でも出番はなかった。

 

キム・ミンテ(17~現在)

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仙台から移籍してきた当初は攻撃的な中盤の選手という触れ込みだったはずなのだがミシャによっていつの間にかリベロ魔改造されているリオ五輪韓国代表MF。中盤をやるにはいまいちオフザボールの動きが悪く、かつパスセンスも特別優れているとは思えないので、そこそこある身長と当たり負けしないフィジカルとボールを奪う力を活かせる今のポジションは最も向いているとも思うが。四方田体制ではいまいち出番がなかったのでなかなか厳しいかと思ったらミシャのもとではしっかり使われているので、移籍してきて結果的によかったねという感じの選手でもある。

 

ジェイ・ボスロイド(17~現在)

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そもそもイングランド人なのにペルージャにいってリビアカダフィ大佐の息子とプレーしてたりタイはムアントン・ユナイテッドに所属してたりする変わったキャリアの持ち主なので知ってる人は日本に来る結構前から知っていた元イングランド代表FW。根源的に「ジャイアン」なので、自分を慕ってついてくる奴ら(子分たち)には優しく、そのあたりは俺王様ことウィルによく似ている。サポーターが2017年に「残留できるかなあ」と不安がっていれば「札幌はリーグの上半分には行けるチームなんだ!残留するかどうかなんて考えるな」と喝を入れ、「エースの都倉が移籍しちゃったけど大丈夫かなあ」と不安がっていれば「心配する必要なんてどこにもない」と励ましていくイケメンな性格である。おそらく同じ「ジャイアン」の名波浩とは相性が悪かったのだろう。

2017年にアキレス腱断裂のジュリーニョの代わりに登録されると半年で2ケタ得点する大暴れでコンサドーレのJ1残留に大きく貢献、その後もミシャの哲学をある程度受け入れつつ己のプレースタイルを大事にするブレなさで確固たる地位を築いている。ヴィーガンらしいけど寿司は食う。回転寿司はトリトン派。

 

チャナティップ(17~現在)

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160cmに満たないかわいらしい身長から繰り出される全くかわいくない超一級のドリブルテクニックで眼の前の相手をぶち抜く、ご存知「タイのメッシ」。レ・コン・ビンから始まった東南アジア戦略の最新作にして最高傑作である。さすがに来日前から知られていた選手だったがここまでやるとは思わなかったし、このレベルの東南アジアの選手もそういないであろう。長期契約は結ばれているようなので、ヨーロッパに移籍することがあるならそれは仕方ないが最低でもダヴィくらいの移籍金は置いていってくれ。

教えているのが都倉なのか駒井なのか進藤なのか荒野なのか菅なのかはたまた槙野なのか知らないが日に日に汚い日本語を覚えていくのでそろそろ審判に「ドコミテンダ、ボケ」とか言って退場する日が来ないとも限らない。すでに「(都倉)ケンサン、オカネ」「アラノ、バカ」は覚えたのだから。教えた人間は反省して代わりに出場停止処分を受けるように。

 

ルーカス・フェルナンデス(19~現在)

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個人的には今札幌で最も見ていて面白い選手。2016年からいたマセードがブラジルでは2部リーグの選手なら、ルーカスはバリバリの1部リーグ、それもフルミネンセからのレンタルである。どこのチームでも大体ブラジル全国選手権の1部リーグから来た選手は活躍するしないは別として上手いが、ルーカスもやっぱりとても上手い。とにかく彼のドリブルを見てやってくれ。股抜き、ダブルタッチ、ルーレット、ファルカンシザース、なんでもござれである。モデルか何かをやっている奥さんがいるのだが、彼女のInstagramのストーリーでは「日本の百均ショップグッズ」「クイックルワイパー」「焼肉」「旭山動物園」「ディズニーランド」など、地球の裏側から来て目一杯楽しんでいる様子は伝わってくる。ただストーリーの量が多すぎて全部見るのは正直キツい。そのような奥さんを横に真面目に地道にエロいドリブルテクニックに日々励む職人、それがルーカスである。

 

アンデルソン・ロペス(19~現在)

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ラストはアンデルソン・ロペス。広島でもすごく使いこなすのが難しそうだったので正直来る前はどうなんだろうと思ってたんだがここまでは負傷で1ヶ月以上離脱してもまだ得点ランクトップタイの活躍。すごいついでに札幌ドームの溝に落ちた。(史上2人目)

別に右足が全く使えないわけでもないのだがなるべく左足を使いたい、というあたりは中村俊輔っぽい。ルーカスやチャナティップと比べると特別ものすごいテクニックがあるわけでもないとは思うのだがドリブルで抜くのも結構上手い。今年はロペスにどれだけ気持ちよくプレーさせて点取ってもらうかで順位が結構変わると思うので、彼がプレーしやすいように周りは動いてあげましょう。多分その分のリターンは返してくれるはず。

 

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というわけで2007年から今年までの13年分の外国籍選手全員を振り返ってみました。非常に思い出深い選手もいれば、アレこんなヤツいたっけ?みたいなのもあり、いろんな選手が所属していたんですね。あとやっぱり強化費に如実に現れますね、外国籍選手の質の違いというものは…笑 まあ、外国籍選手たちも遠い日本の北の寒い大地にまでわざわざ夢を追ってやってきているのだから、あのチームでやれてよかったなっていうふうに思ってもらえるように、今後も応援してまいりましょう!