ぉゔぇ記

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乗るしかない、このビッグウェーブに

 前節愛媛FCにホームで見事な逆転勝ちをおさめた我らがコンサドーレ札幌は、今節もホーム厚別で闘将、いや凍将哲二率いる水戸ホーリーホックとの試合でした。哲二にやる勝ち点はありません。

 スタメンはこのようになりました。ここまで全試合出場のGKイホスンが帯状疱疹と風邪の体調不良でベンチ外に。今季初スタメンのぎーさんがGKに。あとは河合がCBに戻った程度で大体変わらず、現時点のベストメンバーと言っていいでしょう。

 水戸はベンチに鈴木隆行師匠、そしてケガから復帰の吉原宏太が入っていました。哲二の密かに粋な計らいかもしれません。そ、そんなことしたって哲二にやる勝ち点はないんだからね!

 試合は序盤から札幌が押し込みます。この日は特に内村と砂川の関係性が良く、ボール奪取からのショートカウンターが良く効いていました。最初の決定機は12分。砂川が高い位置でボールを奪って内村へスルーパス。内村は水戸GK本間をかわしますがシュートは打てず。その流れから直後の13分、再び高い位置でボールを奪取した砂川が中にクロスを入れ、内村が飛び込みますが惜しくも合いません。
 16分には宮澤がボール奪取し、中盤でボールを回して宮澤が縦にパス。古田が受けるとスライディングで飛び込んできたDFをサイドステップで華麗に交わして左足で強烈なシュートを放ちますが、これは惜しくも本間がセーブ。

 一方の水戸の攻撃は主に札幌のパスミスを誘い、それを早い展開でサイドからのドリブルや、前線の運動量を生かしたものだったかと思います。15番島田、10番遠藤らが主に起点となっていました。札幌にとって助かったのは水戸がボランチからの縦パスの精度をイマイチ欠いたこと。そこをウチのボランチ2枚がよくカットして、相手の潜在的チャンスを封じ込めていた気がします。あれが通りまくってたらもっとピンチはあったのでしょうが。

 古田のシュート以降目立ったチャンスがない両チームでしたが、水戸のCKをクリアしたのを内村が拾い、右サイドをオーバーラップしてきた山下へパス。山下はハーフウェーライン手前から50m以上をドリブルで突破し、クロスを入れたところを相手に弾かれてCKのチャンスを得ます。試合後の本人談のとおり、PA前のところで中にいいパスを出せていればその時点で1点ものだったと思いますが、守備の選手にそこまで要求するのは酷という物。
 これで得た札幌この試合5本目のCK。砂川の蹴ったボールは宮澤の頭にピタリと合い、宮澤のヘディングしたボールに内村が左足を伸ばして当ててゴール!内村2試合連続の得点で札幌が先制します。

 その後も札幌は雨のピッチを活かした(といえばかっこいいけれども正直トラップやボールコントロールのミスも結構あった)パス回しで水戸を翻弄。時間が経つに連れて、ボランチから前の6人が有機的に動いてチャンスを作るシーンが出ます。42分には砂川が自陣でボールを奪い、内村へ、内村は駆け上がってきた砂川へもう一度戻し、DFラインの裏へ抜け出るために走ると砂川がその裏へパス。内村が敵陣深くでボールキープすると駆け上がってきたサイドの古田へ、古田が右サイドからクロスをあげると宮澤が飛び込み、さらに近藤がシュートを打とうとしますが惜しくも合いません。

 後半も札幌ペースで試合が進みます。47分に純平のシュートで幕を開けると、54分には近藤→宮澤→砂川とつないでオーバーラップしてきた日高がシュートを放ちます。これは左から右へと展開していっての攻撃で非常に良い形だったと思います。

 ところが、落とし穴がありました。直後の55分、水戸が中央から札幌右サイドへの展開、島田がクロスを上げてこぼれたボールを再び水戸が拾い、もう一度札幌右サイドへの展開。これを古田がGKへバックパスで戻しますが、これを狙っていた水戸左サイドハーフの15番島田が掻っ攫ってゴールへ流し込みます。古田のバックパスも少々不用意ながら、GK高木の飛び出しも少々遅れたところをやられてしまいました。ここまでの試合、水戸の決定機と言えるシーンは1度くらいしかなく、札幌の決定的シーンは4回はあったかと思うのですが、まさかの同点にされてしまいます。

 五分五分の試合ならともかく、7:3くらいで押し込んでいた試合で同点というのはなかなか厳しいものがありまして、これを機にやや水戸がペースを握ります。札幌も砂川から古田へのパスが惜しくも合わないとか、右サイドから攻めこんで内村のシュートとか、チャンスが全くないわけでもなかったんですが、少々間延びしたこともあって遠藤のボレーシュートや、69分、72分の島田のシュートなど水戸にチャンスを作られてしまいます。特に72分の島田のシュートは得点されていてもおかしくない決定的な場面でした。

 札幌は流れを変えるべく、疲れのみえた近藤に代えて岡本を投入。これでまず流れを取り戻し、79分には岩沼からのフィードを相手DFがちょっとトラップミスしたところを砂川が掻っ攫って内村へ、内村は走りこんできた古田にパスを出し古田が左足で狙いますがちょっと力なくDFがカット。古田もあそこでワンフェイント入れるとか、落ち着ければゴールが産まれるかと思うんですけどね。

 さらに流れを自分たちのものにしたい札幌は砂川に代えて横野を投入。前節2得点のスーパーサブに期待を託します。すると79分。後ろからのパスをハーフウェーライン付近で横野が落とし、それを拾った岡本が左サイドに大きく展開。駆け上がった岩沼が中へグラウンダーのパスを入れると内村がトラップして前を向きます。しかし前には水戸のDF、そこで内村は後ろに丁寧に落とすとそこに岡本が走りこんできていて右足一閃。これが水戸ゴールに突き刺さって札幌が再びリード!横野の落とし、岡本の展開、岩沼のサイドからのパス、内村の反転と落とし、そしてちゃんとスペースに走りこんできた岡本と、素晴らしい技術と連動性が見られたゴールでした。

 その後札幌は上原を、水戸は鈴木隆行師匠を投入。札幌は直後に上原がヘディングで競り勝ったボールに横野が走りこみ、マイナスのパスを出して岡本がシュートしますが、こちらはミートせず。岡本くん、今日1点とったからまだいいけど前節と合わせてキミ3点はロスしてるんだがね。
 
 一方の師匠は貫禄のイエローカード・・・って日高が負傷退場してしまいました。師匠め。結局そのまま試合は終了。連勝、6戦負けなし。次は「俺達のフクアリ」で2位千葉と対戦。強い相手ですが、ここで勝てれば勢いは本物。乗るしかない、このビッグウェーブに!


★よかったところ

1,しっかりとパスで崩すサッカーが出来ていた…一番良かったのは砂川内村の関係ですが、これを軸としてパスで崩すシーンは非常に多かったです。試合ごとにいい選手は変わってくるかと思うのですが、誰が良くてもそこを軸にしっかりボールを回して攻撃できるようになってきたのが最近のいいところなのかと

2,交代選手が結果を出す…岡本がチームの雰囲気が07年に似てきたと言っていたようですが、確かにあの時と同じように交代選手が結果を残すこの頃です。もちろん先発がいい試合をしているから交代がなお活きるわけで、そういう意味で今はいい流れにいるのかなあと思います。続けることです。


★課題

1,つまらないミス…失点シーンが該当。五分五分の試合ならそういうこともある、仕方ないと思えるけれど、この試合のようにある程度押し込んでる試合でああいうミスで同点にされてしまうのは試合運びとしてはかなりいただけないです。事実あそこから水戸は勢いに乗って何チャンスか作ってきました。決定的なものもあり、それで失点していたら悔やむに悔やみきれない試合になっていた可能性も大でしょう。

2,決定力…上と同じ試合運び的な話になるかと思います。決められるときに決められないと痛い目見るのはサッカーの常。前半数多くあった決定機をミスして1点しか取れなかったから同点に追いつかれたという話もできる。せっかく良く崩せるようになっているのだから、最後の局面もう少しだけ頑張ってほしい。以前よりはかなり良くなりましたけどね。