遅ればせながら。
11月になって、今年4試合目。(ルヴァン鳥栖A、リーグ柏A、リーグ湘南A、そしてリーグ川崎A)ありえないスローペースである。つくづくコロナは辛い。鬼滅じゃなくて菌滅しろ。
しかし、なんだかんだで久々の関東アウェイ、ほんとに楽しみにしていた。勝てない時期が長かろうと、試合見て逆にストレスがたまろうと、そして嫌な思い出しかない等々力での試合だろうと、自分はやっぱりコンサドーレと生きているわけで、どんな状況であってもやはりテンションがあがるものだ。そんなだから前日は3時くらいまで眠れなかったし、さらに当日朝まで試合の準備はしていなかった。朝7時に起きて、ユニフォームだのマフラーだの充電池だのをかばんに詰め込みながら、あれ、試合に行くときって何持ってけばよかったんだっけ?ってなった。ブランク。
等々力は、直前に引退表明した中村憲剛祭りだった。中村憲剛の入団時から今年までののぼりや、「One Four KENGO」の大きな幕。uだけがフロンターレカラーの水色なのは、14と、憲剛のために一つになろう(One for)的な意味の掛け合わせってことだろう。
素晴らしい選手だったが、彼にコンサドーレが勝てないまま終わるのは悔しいな、しかし今日は1点差にとどめてほしいものだな、あと得点はしたいな、などと負けの染み付いた頭で考える。普段はここでそんなものは買わないのだけど、今日はとんかつ和幸で中村憲剛おすすめ、と記された『ひれロース弁当』を購入。餞別だ、とっとけ。現役生活お疲れ様でした。
スタジアムに入場すると、いつもの面々の顔。札幌から来た方や関東在住のみんな、安中くんやテツなど、USのみんな。それぞれと挨拶をかわしながら、やっぱりスタジアムはいいなと思う。早く日常を取り戻して、みんなで声出して応援して飛び跳ねて、そして試合後サッポロビールで乾杯したい。ゴール裏で太鼓の合図のみのコーヒールンバの練習をしているのを横目で見ながら、いろんな人と話す。
選手がやってきた。出る直前にリュックに入れた、昔友人から譲り受けた『勝ち点3』ゲーフラの旗部分だけを取り出し見せる。そういや応援で声出せないんだな、何かを伝えるとすればこれしかないんじゃないかなって思って、直前でねじこんだ。頑張れ。勝ち点3とれとは言わんけど、そういう試合を見せてくれ。
試合は、立ち上がりからコンサドーレペース。いいじゃん、やれてるじゃん。ここ2試合はいい試合してるもんな。川崎相手でもやれてる。荒野と、左に入ったルーカスがいい。チャナもドリブルがキレてる。宮澤や福森のビルドアップもいいし、そもそも、ピンチが少ない。中盤でボールが奪えてる。しかし最初のイケイケな時間に点取りたかったなあ、あんなチャンスの連続そうないだろ。応援も、太鼓のリズムで何をやりたいかわかる。最近始まった新しいビルドアップのやつ。昔からあるビルドアップ(カウンター用)。さっきやってたコーヒールンバ。頭の中で歌いながら跳び、手を叩く。俺たちの日常が帰ってきた。
前半0-0。もったいなかったなあ。先制してりゃ向こうも焦っただろうに。しかし肝心の中村憲剛と三笘がまだ出てきていないから。中村憲剛が後半から出て来て、2-0を2-3にされた歴史もあるし。もう8年も前なのに、思い出したくない、そしてくっきりと思い出せてしまう、vs川崎の苦い思い出の数々。
そして後半、その2人が出てきた。さすがに川崎も前半のアレじゃいかんわな。しかし札幌優勢なのは変わらない。すげえな、名古屋戦とか何だったんだよ、あんなゴミみたいな試合しやがって。川崎相手にこれだけやれるんじゃねえか。毎試合やってくれよ。アンロペとドドが入ってきた。奪った!いけ!!よし!!!!
うわー!!先制しちゃったよ。マジか。逆転される方がダメージでかいんだけどな。とりあえず15分くらいはリードのままで頼むわ。相手も焦ってワンチャンあるかもしれないしさ。お!また奪えた!ファールなし!来い来い来い来い!!ドド!!荒野ー!!!!!!!
我々は歓声を我慢できなかった。ゴール裏最前列はガッツリ密になった。ハイタッチもしまくった。いいよ、これで感染するならするで。コロナごときが人生の喜びを奪ってんじゃねえよ。俺たちはいま無敵なんだ。荒野が手を広げてこちらに来たとき、思わず涙が出た。これだよ、これが札幌だよ。ざまあみろ。
2-0になって、さすがに欲が出てきた。勝てるぞ。いいよ内容なんて、ここまで十分すぎるほど良かったからあとはひたすらクリアでもなんでもいい。札幌のゴールに近づけんな。
最後の5分くらいは危ない場面がいくつかあり、祈るような気持ちで見ていたが、笛。勝った。とうとう勝った。普通のリーグ戦の1試合であり、そしてまったく普通の1試合ではなかった川崎アウェイの試合に、勝った。またハイタッチする我々。やってくる選手たち。みんないい顔してる。また密になるゴール裏最前列。自分は少し離れて勝ち点3のゲーフラを選手に見せつける。やった。やったんだ!!
後で見たら中村憲剛がこちらにも挨拶してたらしいが、申し訳ない、全く気づいてなかった。川崎はそこまで札幌を意識していないという声もあった。いいんだよ別に。俺たちが、負けまくってて、嫌だっただけなの!!それだけ!!!勝ったからもういいよ、なんかごめんな!
終わったあと、みんなと喜びを分かち合い、武蔵小杉の焼き鳥屋でパーフェクト黒ラベルを飲む。こういう日々がまたすぐに戻ってきてくれたらいいんだけどな、本当に。次の等々力では、マスクなんてしないで、大声で歌って、跳ねて、そして密になって、勝ちを味わいたい。