ぉゔぇ記

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案外わかりにくい参議院選挙の投票について

  自分は比較的政治への関心が高い方の人だと思うのですが、「参議院選挙は割と影が薄いなあ」と思うのも事実。衆議院の優越があるし、しかもその衆議院では現在自民党が単独で安定多数の議席を確保しておりますからね、参議院選がどうなろうと「世論を示す」以外ではそんなに影響がないのもまた確かなのでわかるんですけどね。

 

 それで「影が薄い」っていうのを思うもう一つの理由がありまして、皆さん参議院選挙の仕組みってちゃんとご存知でしょうか?衆議院の方は、そこそこ有名だと思うんですよ。小学校の社会ですら「小選挙区比例代表並立制」という小学生にはよくわからない言葉を覚えさせられたりしますし、中学校や高校あたりでは「ドント式」という比例代表の当選者の決め方なんかもやってみたりしますよね。じゃあ参議院ってどういう方式で当選者が決まってるのか、言えますか?っていうとたぶん衆議院より圧倒的に正解率が低いんじゃないかと思う。ということでとりあえず主義主張とかは置いといて「参議院選挙ってどういう風に決まってるの」ということを勉強しましょうというエントリです。なるべくわかりやすく説明していこうと思いますので、しっかり勉強して投票に行ってくれると嬉しいです。

 

 まず中学校までの社会の勉強でもやるような基本的な知識としては、参議院議員30歳以上の人が立候補できる、任期が6年の国会議員です。議員数は248名で、3年ごとに半数改選、つまり3年ごとに124人ずつ入れ替わる仕組みになっています。ですから今回の参議院選挙は2016年の選挙で当選した国会議員の入れ替えを決める選挙となっています。

 たぶんここから先はあまり学校の授業とかではちゃんとやらない話です。参議院選挙では124人の国会議員を決めるのに、2通りの決め方をします。1つは「選挙区選挙」、もう1つが比例代表選挙」です。

 

 先に「選挙区選挙」について説明します。こちらは全部で74人の当選者が決まります。特徴としては以下の通りです。

・選挙区はほぼ都道府県単位*1で設定されている

・選挙区における人口によって当選者数が異なる(たとえば東京都は最多で6人、北海道は3人、沖縄県は1人。1回の選挙につき改選人数の最少が1人なので、どの都道府県からも常に最低2名の参議院議員が選出されているイメージ)

・投票方法は、1枚目の投票用紙に自分の在住する選挙区から立候補した人の個人名を1名書く。

こちらは割とわかりやすいです。(ただし、選挙区によっては立候補者が多いので事前に決めてから行かないと投票所で考えるのは難しい気がします)

 

 一方の比例代表選挙」です。全部で50人の当選者が決まります。

比例代表選挙とは、基本的に政党ごとの得票数に応じて議席数が決まる仕組みである、というのはいいと思います。参議院選挙の比例代表選挙の特徴としては、「全国単一ブロックで、非拘束名簿式、選挙区との重複立候補はできない」のですが、1つずつ説明していきます。

「全国単一ブロック」…先ほどの選挙区選挙ではほぼ都道府県単位で選挙区が設定されていましたが、参議院比例代表選挙は日本全国が大きな1つの選挙区みたいなものだと思ってください。つまり、居住地域に関係なく比例代表に立候補した方に投票できます。

「非拘束名簿式」…これが難しいポイント。衆議院の選挙では「拘束名簿式」を利用しているので、その違いを理解してもらうのが一番いいのではないかと思います。

衆議院選挙の比例代表制では、各政党が候補者の優先順位をあらかじめつけた名簿を提出しています。(当選順位が拘束されている)得票数に応じて、この上位から当選者が決まっていくイメージです。

一方で参議院選挙の比例代表制では、政党が候補者の優先順位をつけることは基本的にありません。(当選順位が非拘束である、ただし特定枠*2は除く)ではどのようにして当選者を決めていくのかと言うと、簡単に言えば「個人名での投票が多かった順」となります。ここが結構わかりにくいところで、参議院選挙の比例代表制では政党名もしくは個人名で投票できるので、個人の人気が高かった人が先に当選が決まる→残った議席数を各政党で分ける、という形になっています。参議院比例代表に元タレントなど有名人が立候補することが多いのは個人名での得票を見込んでいるからです。

「選挙区との重複立候補はできない」…これはそのままです。衆議院では重複立候補が出来るのですが、参議院ではできません。

 なので、我々有権者比例区では2枚目の投票用紙に個人名もしくは政党名を書いて投票することになるのですが、自分なりに興味関心ある分野について働いてくれそうな人に投票したいのであれば、ここでも個人名を書くことをお勧めします。一方でこの政党の人ならいいか、みたいな感じであれば政党名でよいと思います。

 

 まとめますと、1枚目の選挙区選挙の投票用紙には選挙区から立候補した候補者の個人名を書く、2枚目の比例代表選挙の投票用紙には、全国単一ブロックから立候補した候補者の個人名、もしくは政党名を書く、という形で投票することになります。

 

 というわけで、事前に候補者を調べて、悔いのない投票が出来ると良いですね。投票日は7月10日ですが、期日前投票を利用しておくのも良いと思います!

 

 

*1:島根と鳥取、高知と徳島は2県で1つの選挙区

*2:衆議院選挙と同様、候補者の優先順位を付けた枠。選挙事務所を作るなどの選挙活動が認められない